先日、院外実習で職業病の患者さんが集まる診療所に行ってきました。
北風の厳しい昼下がり、入り口から入ると、待合室にはおっさんの群れ。
一瞬たじろぎましたw
まるで町内会の集会のような雰囲気。
ここが本当に病院なのかと思いました(診療所なんだけどねw)
1時半になるとおっさんたちは一斉に受付を済ませ、二階にある治療室へぞろぞろと行かれました。
何なんだと思いつつその後をついて行ってある部屋に入ると、おっさんたちが横一列に座って何やら腕に電極みたいなものをつけているでわないか!
その横では肩にこれまた電極みたいなものを付けてるし。
実はこれらは治療装置なわけで、最初のが超音波で筋肉を刺激するもので、もう一つのが、こっちはそのまんまの電気で筋肉を刺激する装置です。
あとは温熱療法するためにパラフィンを溶かしたお湯があってそれに腕を浸すことによりパラフィンの幕を張って腕を暖めたりしてました。
皆さん明るくてわいわいしながら治療を受けてましたが、職業病(ここでは塵肺や振動病がほとんど)は根治が困難で慢性的な疾患なのです。
塵肺はその名のとおり肺に塵(といってもその辺の塵よりもっと細かい石の粒子)が溜まる病気で、早い時期に見つかってもどんどん病状は進行します。
振動病は、主に手が白くなって感覚が鈍くなる白ろう病が主ですが、これは手が動きにくくなって日常生活にも支障を来たしたりします。
今でこそ産業医学が発達して労働環境、労働条件は改善されていますが、今病院に通ってる方たちがバリバリ働いていたのは主に戦後まもなくがほとんどで、日本という国が成長するのに必死で産業医学とかあまり考慮する暇がなかった時代です。そんな時代に生まれてしまったがためとは言いませんがせめてあと50年遅く生まれてたら職業病になってなかったからしれません。
医療は患者さん一人一人に感情が入りすぎるのは好ましくないのでドライにならなければいけない部分があるんですが、その日は妙に感情的になってしまいました^^